テイクアウトで楽しむ世界のグルメ・スウェーデン編

日本にいながら世界各国のグルメをいただくことで、海外の雰囲気を感じることができます。なかなか思うように海外旅行を楽しむことができない今、テイクアウトを利用して自宅で旅気分を味わってみませんか?
今回は、スウェーデン料理店「レストラン ストックホルム」の支配人・竹内秀樹さんに、日本ではまだあまり知られていない、スウェーデン料理の魅力を伺いました。

日本唯一のスモーガスボード専門店「レストラン ストックホルム」


認知度は上がってきてはいるものの、日本ではまだまだ珍しいスウェーデン料理。
レストランストックホルムの創業は1971年だそうですが、スウェーデン料理が日本に浸透する前にお店をオープンさせたことには、どのような経緯があったのでしょうか。

――1971年といえば、スウェーデン料理が日本では知られていなかった頃だと思います。オープンのきっかけは何だったのでしょうか?

竹内さん(以下、敬称略):

きっかけは、1970年の大阪万博で来日したスウェーデン王子が、姉妹店である神戸のフレンチレストラン「北野クラブ」を訪れたことでした。そこでの食事をお気に召した王子から、東京・六本木で建設が進んでいた「スウェーデンセンター」への出店をオファーされ、翌1971年に「レストラン ストックホルム」が誕生しました。
その後、六本木ヒルズの開発のためスウェーデンセンターは閉館し、それに伴って2000年に現在の場所に移転しました。

――「レストラン ストックホルム」では、日本で唯一の「スモーガスボード」専門店だそうですね。スモーガスボードとは、どのようなものなのでしょうか?

竹内さん:

スモーガスボードは、いわゆるビュッフェやバイキングのことです。たくさんの伝統料理が大きなテーブルに並び、各自が好きなものを皿にとって食べるスタイルで、夏至祭やクリスマスなど、お祝いのときに用意されることが多いです。
スモーガスボードの食べ方には、皿は使い回ししない、料理を山盛りにしない、料理をシェアしないといったマナーがあります。食べる順番にも決まりがあり、テーブルとスモーガスボードを何度も往復しながら、前菜から冷たい魚料理、肉料理、と少しずつ取るルールです。

テイクアウトで楽しめるスウェーデン料理

ルールが決まっていると、きちんと守れるか気後れしてしまう人もいるでしょう。しかし、竹内さん曰く、「スウェーデン人の方々は、あまりマナーに頓着せず、始めから肉料理を取り分けたり、お気に入りの料理ばかり食べたりする場合も多いですよ」とのこと。
「レストラン ストックホルム」のテイクアウトメニューから、おすすめの料理をご紹介しましょう。

北欧を味わう オードブルアソート

スモーガスボードの人気メニューを少しずつ楽しめるのが、「北欧を味わう オードブルアソート」(2,160円/1人前)です。


オードブルアソートの中でもぜひ味わいたいのが、ジャガイモとアンチョビをクリーム煮にした伝統料理「ヤンソンの誘惑」。名前の由来には諸説ありますが、誘惑されること間違いなしのおいしさ。アンチョビの塩味のバランスが絶妙です。
容器は電子レンジ対応で、冷たい料理と温かい料理の2皿に分けられています。冷たい料理はそのまま、温かい料理は食べる前に容器ごと電子レンジで温めてどうぞ。

竹内:

色とりどりの前菜を、10種類以上盛り合わせにしました。ニシンやサーモンのマリネ、甘エビの塩ゆで、ミートボール、スウェーデン風シナモンロールなどが入っています。ミートボールはスウェーデン発祥の家具量販店の影響で、スウェーデン料理と知られるようになりましたね。スモーガスボードでも人気の一品です。

ニシンのマリネ

ニシンは、スウェーデンでは非常にポピュラーな食材です。伝統料理であるニシンのマリネは、普段の食卓はもちろん、お祝いの行事の際にも必ずテーブルに並ぶそう。「レストラン ストックホルム」でも、テイクアウトの「ニシンのマリネ」(980円/100g)は大人気です。

竹内:

ノルウェーから空輸したニシンを自家製ブレンドの酢で漬け込み、さまざまなソースでマリネしています。スウェーデン料理というと、このニシンのマリネをイメージされる方も多いですね。
ソースは、サワークリームソース、マスタードソース、ハーブとガーリックのソース、トマトベースの西洋わさびとブランデーのソースの4種類で、それぞれのソースごとに違った味わいを楽しめます。サワークリームソース、マスタードソース、ハーブとガーリックのソースには、北欧ではおなじみの「ディル」というハーブが使われています。

テイクアウトメニューをよりおいしく食べるには?


料理を食べるだけでも異国気分が味わえますが、どうせなら、より本場の雰囲気を味わいたいもの。自宅でスウェーデン気分を楽しむためにはどうしたらいいか、伺ってみました。

竹内:

スウェーデンの人々はお酒が大好き。スモーガスボードを食べるときには、生命の水という意味の蒸留酒(スピリッツ)、「アクアビット」で乾杯をするのが定番です。小さなグラスに注がれた冷たいアクアビットを手に乾杯の歌を歌うのが、スウェーデン式乾杯のスタイルですね。
オードブルアソートやニシンのマリネも、お酒との相性はバッチリ。ワインやビールをはじめ、ニシンやサーモンは日本酒ともよく合います。苦手でない方は、ぜひお酒といっしょに味わってみてください。

デザートなど、そのほかのテイクアウトメニューも充実

「レストラン ストックホルム」では、ほかにも豊富なテイクアウトメニューがそろっています。例えば、「スウェーデン風ミートボール」(980円/5個)は、スウェーデンのおふくろの味ともいえる一品。甘酸っぱいリンゴンベリーといっしょに食べるのがスウェーデン式です。
また、スモーガスボードでも人気のデザートが「リンゴとアーモンドの焼き菓子」(3,240円)です。直径23cmのガラスの耐熱容器入りで、ボリュームもたっぷり。そのままはもちろん、クリームやアイスクリームを添えるとより一層おいしくいただけます。

スウェーデン料理の特徴とは?


北欧のスカンジナビアに位置するスウェーデン王国。バルト海に面しており、ニシンやサーモン、甘海老といった魚介類が豊富です。スウェーデン料理の特徴について、竹内さんに伺いました。

――スウェーデン料理にはどのような特徴があるのでしょうか。

竹内:

肉料理では豚肉を使ったものが多く、リンゴンベリー(コケモモ)やブルーベリーなどのフルーツのソースを合わせるのも特徴でしょう。
厳しい冬が長く続くスウェーデンでは、保存食が発展してきました。現在まで受け継がれている伝統料理にも、酢漬けや燻製、塩漬けなどの保存調理法が多くありますね。本場で食べると日本人には少し塩辛く感じることもありますが、お店では日本人の口に合うように少しアレンジしています。
ハーブを使ったメニューが多いのもスウェーデン料理の特徴です。ハーブの香りで肉や魚の臭みを取り、ほんのり爽やかな風味が感じられます。

――日本ではなかなか見られない、スウェーデンならではという食材や料理はありますか?

竹内:

ザリガニはスウェーデンの夏の風物詩です。8月にザリガニ漁が解禁になると、各地で「クレフトシーヴァ」というザリガニパーティーが行われます。大皿に茹でたザリガニを山盛りにして、歌を歌いながらたくさんザリガニを食べるんです。
冬のシーズンで珍しいところだと、トナカイですね。ヘルシーな赤身のトナカイ肉は、ローストや煮込みで食べることが多いです。お店では北海道のトナカイ牧場から取り寄せています。

自宅で手軽に北欧の味を楽しもう


料理には、その国の歴史や風土が表れます。本格スウェーデン料理をテイクアウトで味わえば、自宅にいながら気分は北欧へ。一人でのんびりくつろぎたいときにも、家族での団らんやお祝いの席にもおすすめです。
なお、準備に時間を要することもあるため、テイクアウトの際には事前にご予約を。

●取材協力

レストラン ストックホルム

住所 東京都千代田区永田町2-14-3 東急プラザ赤坂1F
TEL 03-3509-1677
営業時間 11:30~15:00(L.O. 14:30) ※土日祝のみ
17:00~22:00(L.O. 21:00) ※土日祝は17:30~
定休日 火曜日

 

執筆者プロフィール

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