家を買うなら何から始める?住宅タイプの違いや予算の決め方を解説

本記事は、SBI新生銀行からのお知らせです。

住宅は大きな買い物ですから、一生にそう何度も買うことはないでしょう。それだけに、購入に詳しい人は多くありません。どのような家がいいのか、予算はどのくらいにすべきなのか、迷うことばかりではないでしょうか。
今回は、家を買いたいと考えている人のために、住宅タイプ別のメリット・デメリットや、予算の決め方などについてご紹介します。

家を買うタイミングは?平均年齢は30代

ライフイベントに合わせるか、それとも適齢期があるのか、どのタイミングで家を買うか悩む人もいるでしょう。国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査」によると、初めて家を購入した人の年代は、30代後半~40代前半が多くを占めています。

新築の注文住宅や分譲戸建て、分譲マンションの世帯主の年齢は30代が最も多く、中古の戸建住宅とマンションでは40代が最も多い結果となりました。
また、同調査によると、住宅ローンの平均的返済期間は30年程度。60~65歳定年のことを考えると、30代のうちに住宅ローンを組んで、家を購入する人が多いと考えられます。

どの住宅タイプがいい?

家を買う前に検討しておきたいのが、購入する住宅のタイプです。新築か中古か、戸建かマンションか…。戸建の場合、注文住宅か建売住宅かなど、さまざまなタイプがあります。各住宅タイプにはそれぞれメリット・デメリットがありますから、それを踏まえて自分や家族にとってどれが合っているのかを検討することが重要です。そこで、各住宅タイプのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

「新築」と「中古」はどっちがいい?

まず、予算に大きく関わってくるのが、新築と中古のどちらを選ぶかです。それぞれのメリットとデメリットを整理すると、次のとおりです。

■新築と中古のメリット・デメリット
住宅タイプ メリット デメリット
新築 ・時流に合わせた最新設備が備わっている
・これまで人が住んだことがない
・当面のあいだは修繕の必要がない
・価格が高い
・広告費など、建物や土地代とは関係のない費用が上乗せされている
中古 ・新築に比べて価格が安く、割安なことが多い
・建物の管理状況が事前にわかる
・設備が古く、快適性が劣る可能性がある
・建物が古くなるほど、修繕コストがかかる

ここで重要な視点は、価格に見合った家かどうかです。新築の場合、広告費が上乗せされているケースもあり、購入時点で割高なことが多いといえます。そのため、そのお金を払ってでも手に入れたい設備があるかなどが判断基準となるでしょう。

中古の場合、外観は多少古くとも、リノベーションによって新築のような内装に生まれ変わっているケースもあります。価格と設備が価格に釣り合っているかをひとつの判断基準にしてみてください。

「一戸建て」と「マンション」はどっちがいい?

都心であれば、土地購入価格が高額になるため、マンションが有力な候補となってくるかもしれません。一方で、郊外でより広い土地や家を求めて一戸建てを検討している人もいるでしょう。両者のメリットとデメリットをまとめました。

■一戸建てとマンションのメリット・デメリット
住宅タイプ メリット デメリット
一戸建て ・庭などの敷地が広いことが多い
・管理費や修繕積立金の支払いが必要ない
・マンション内のルールに縛られない
・物音を気にせずに生活できる
・建物や土地の維持管理は自己責任
・共用設備などの恩恵を受けられない
マンション ・セキュリティが充実している
・共用部分の管理・清掃を管理会社がしてくれる
・共用設備が充実している
・駅近など、交通の利便性に優れていることが多い
・管理費や修繕積立金の支払いが必要
・ペットを飼えないなど、マンション独自の制約を受ける

より広い土地や生活の自由度を求めるなら、一戸建てが選択肢の最有力となるかもしれません。マンションは駅近など利便性の高いエリアに建つことが多く、アクセスの良さを重視するなら優れている可能性があります。価格だけでなく、家を買った後の生活を考えて検討してください。

一戸建ての場合、「注文住宅」と「建売住宅」はどっちがいい?

一戸建てを選んだ場合、「注文住宅」と「建売住宅」のどちらを選ぶかも迷う点です。注文住宅はその名のとおり、自分でハウスメーカーに注文して設計し、購入済みの土地に家を建てる方法。一方の建売住宅は、すでに建てられている家を買うものです。両者のメリットとデメリットを整理します。

■注文住宅と建売住宅のメリット・デメリット
住宅タイプ メリット デメリット
注文住宅 ・予算に応じて自由にカスタマイズできる
・趣味や趣向に応じて設備を導入できる
・土地や建築過程をチェックできる
・価格が高い
・建築期間も含めて入居までに時間がかかる
・土地探しから始める必要がある
建売住宅 ・注文住宅と比べると比較的安い
・すぐに入居できる
・実物を見て検討した上で購入できる
・土地と家がセットになっている
・外装や内装を自由にカスタマイズすることが難しい
・土地の状態や建築過程をチェックできない
・郊外にあることが多い

せっかくならオーダーメイドで自分のこだわりを家に詰め込みたいと考える人は、注文住宅が向いているでしょう。コストを抑えたい人、家を買うのにあまり手間をかけたくない人などは、建売住宅を検討してもいいかもしれません。

    

        

    

家を買う予算はどうやって決める?

どのような家がいいのか考えたら、次は予算です。大抵の人は住宅ローンを利用することになりますから、いくらまで借りられるのか、返していけるのかは気になるところでしょう。

返済負担率の25%以内が目安

購入するマイホームの予算の目安は、「年収の5~7倍」といわれています。つまり、年収500万円の人であれば、「2,500万~3,500万円」が予算の目安です。
とはいえ、住宅ローンを利用することを考えると、「年収の何倍まで」を考えるよりも、無理なく返済できる金額かどうかが大切です。用意できる頭金の額や、何歳まで返済するかによって住宅ローンの借入額も変わるため、借りる金額を元に予算を検討したほうがいいでしょう。

このとき目安となるのが、「返済負担率」です。返済負担率とは「年収に対する年間返済額の割合」を指し、一般的に無理のない値は「25%以内」とされています。
例えば、年収500万円の人が、返済負担率25%以内に収めるとすると、毎年の返済額は125万円。月に換算すると、約10万4,000円です。つまり、毎月の住宅ローン返済額が約10万4,000円以内になるように、住宅ローンを借りるのが目安となります。ほかにも借入がある場合は、その返済額も加えた上で返済負担率25%以内を目標にしてください。
なお、住宅ローンの返済期間は、一般的に最長35年です。ただし、誰でも35年でローンが組めるわけではなく、審査では完済時年齢も重視されます。多くの金融機関では、70~80歳までに返済し終えるかどうかを基準としているようです。

無理なく住宅ローンを返済するための計算方法

目安の返済負担率は25%ですが、人によって生活は違い、必ずしも25%が正しいとはいえません。返済負担率とは別に、現在の自身の状況に合わせて、無理なく返済できる金額を計算する方法を紹介します。

・収入から生活費を除いた金額から逆算する
毎月の収入から生活費など必要なお金を引き、残りの金額を確認してください。貯蓄に回すお金も踏まえて、いくらまでなら返済にあてられるか確認します。

・借入期間を想定する
自分の年齢を元に、あと何年働けるのかイメージすると、借入期間も決まってくるでしょう。最長35年とされる返済期間ですが、定年前に返し終えるように期間を設定することもできます。

・検討中の金融機関の金利を確認する
金利が低めに設定されているなど、できるだけ有利な条件で借りられる金融機関を探してください。給料の振込口座や、公共料金の引落口座に設定するなどの条件を満たすと、優遇金利が適用されるケースもあります。

・シミュレーションを行う
ここまでの情報を元に、返済計画をシミュレーションしてみましょう。金融機関では、住宅ローン用のシミュレーションを提供していることもあり、簡単に試算可能です。

参考)「住宅ローンの借入れ平均額は?無理なく返せる返済額を見極めよう」

家を買う費用は物件価格だけじゃない

家を買うための費用は、単に建物そのものの価格だけではなく、購入するための手続きにかかる初期費用や、購入後にかかる固定費なども含まれます。それを考えておかないと、いざ購入という段階で予算オーバーということがあるかもしれません。続いては、家の購入にまつわる費用をご紹介します。

■主な初期費用
頭金 住宅価格に対して10~20%が目安
手付金 住宅価格に対して5~10%が目安
登記費用 所有権保存・移転登記、抵当権設定登記に必要な登録免許税など
住宅ローン関連費用 事務手数料やローン保証料など
火災保険料 住宅ローン利用時に必須となるケースが多い

■購入後にかかる主な費用
住宅ローン 毎月返済していくお金
税金 不動産取得税、固定資産税、都市計画税など
保険料 火災保険、地震保険など
修繕積立金、管理費 共用部分の修繕などに使用する費用(マンションに限る)

こうした諸費用がかかることも踏まえて、家の予算を決めることが大切です。

土地の購入費用に使える「つなぎ融資」とは?

住宅ローンは、基本的に完成した住宅にのみ利用できます。とはいえ、一戸建ての場合、土地を購入しなければ家を建てることができませんし、建築の着工金や中間金など、家が完成する前にお金が必要となるケースもあるでしょう。

そこで、これから建築する住宅に対して、住宅ローンの融資が実行されるまでに必要となる資金を一時的に補えるのが「つなぎ融資」です。つなぎ融資は住宅購入までの期間に利用でき、住宅ローン開始時につなぎ融資分を精算します。家が完成する前の土地購入の資金など、住宅購入に関連する費用にあてることができるのです。

ただし、住宅ローンより金利が高めだったり、事務手数料が別でかかったりすることに注意しなければなりません。また、住宅ローン開始時につなぎ融資分を精算するという性質上、住宅ローンとつなぎ融資の両方を扱っている金融機関を選ぶ必要もあります。

つなぎ融資|新生銀行

家を買う際の3つの注意点

住みたい家のタイプや予算が決まったら購入となりますが、その前に考えておきたいことがあります。家を買う際の注意点を3つご紹介します。

住宅ローン以外に費用がかかる

家の購入には、住宅ローン以外にも税金や、マンションであれば修繕積立金などがかかります。住宅ローンの支払い以外にも費用が発生することを踏まえて、無理のない返済金額を設定することが大切です。
また、住宅ローンには固定金利と変動金利のタイプがあり、変動金利であれば世の中の状況によって、上昇するリスクもあります。万が一上昇したときに、その分の住宅ローンを負担できるかも踏まえて、金利タイプを慎重に検討してください。

参考)「住宅ローンの手数料はいくらかかる?費用もチェック」

親からの資金援助は贈与税に注意

親から資金援助を受けて家を買う場合、贈与税が課税されないように注意しなければなりません。贈与税は、年間110万円を上回る贈与に対して課税されます。そのため、親から住宅資金を受ける場合には、「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」や「相続時精算課税制度」などを活用し、税負担を抑える工夫が必要です。
また、贈与ではなく、住宅資金の借入をする場合であっても、贈与税が発生しないように借用書を作成し、預金口座に振り込むなどして返済の事実を残しておくと安心です。

予備費を必ず残しておく

頭金をたくさん用意できれば、住宅ローンの負担は軽くなります。返済負担を減らすためにも、貯金してできるだけ頭金を用意したいところです。
しかし、頭金で貯金を使い果たしてしまっては、住宅購入に関連して何かしらの支払いが発生した場合に対応できません。転居の際の費用や家具・家電の購入費、生活予備費などの手元資金も極力残しておくようにしましょう。

家を買いたいと思ったら、まず返済できる金額の確認から

家を購入するにあたってまず確認しておきたいのが、いくらまでなら毎月の住宅ローン返済にあてられるかどうかです。今回ご紹介した返済負担率25%以内という目安や、毎月の収入から生活費などを引いた残りの金額を元に、返済計画を立てましょう。そうすると、自ずと購入できる家の予算も決まってくるはずです。
一生にそう何度もある買い物ではありませんから、納得するまで悩んで自分にぴったりの家を見つけてください。

    

        

    

 

執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

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