定期預金のメリットとは?利用時の注意点や満期後の対応を解説!

本記事はSBI新生銀行からのお知らせです。

「普通預金で置いているなんてもったいない」「手元のお金を少しでも増やしたい」といったとき、多くの人が資産運用の一環として株や投資信託に目を向けがちです。
資産運用には、株や投資信託の他にも預金・債券投資・不動産投資など幅広い選択肢があります。簡単に始められる預金の中でも、定期預金の安定性と予測可能なリターンは見逃せません。
この記事では、定期預金のメリットとデメリット、種類、具体的にどの金融機関でどのように活用できるかを紹介し、定期預金も資産運用の選択肢として活用できることを伝えます。

目次

定期預金とは?

そもそも定期預金とは、他の預金どのような違いがあるのでしょうか?

普通預金、定期預金、積立式定期預金の違い

・普通預金
1円単位で自由に預け入れや引き出しが可能です。また、給与・年金の受け取り、公共料金やクレジットカードの自動引き落としの設定もできるので、日常生活でお財布代わりに使えます。普通預金の金利は変動金利です。

・定期預金
原則として、決められた日(満期日)まで引き出すことができない預金です。
満期日まで資金を引き出せない代わりに、一般的に普通預金より高い利率が設定されています。

・積立式定期預金
定期預金の一種なので、原則として満期日まで引き出すことができませんが、預け入れの方法が一括ではなく、毎月決まった日に積み立てて預け入れるタイプとなります。
普通預金から自動的に預け入れることもできるので、計画的な貯蓄が可能です。

定期預金のメリットとは?

定期預金は普通預金より高い利率が設定されていますが、その他にどんなメリットがあるのでしょうか。

元本保証で安心

定期預金の最大の魅力は、元本が保証されるという安全性です。市場の変動に左右されず、元本資金を確実に守ることができます。
また、預金保険(*)の対象となります。

(*)預金保険とは、銀行やその他の金融機関が破綻した場合に、預金者が預けている資金を保護するための制度です。定期預金や利息の付く普通預金など(一般預金等)は、預金者1人あたり、1金機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

リターンが予測可能

固定金利タイプの場合、預け入れ時点で満期時に得られる利息を確実に計算することができます。そのため、将来の資金計画が立てやすくなります。
変動金利の場合、満期までの間に金利が上昇すれば、固定金利よりも有利になる可能性があります。しかし、逆の場合は固定金利商品より不利になる可能性があります。

手数料がかからない

預け入れ時や保有中、また中途解約の際も手数料はかかりません。
例えば、満期を待たずに中途解約した場合、当初の利率は適用されないので受け取れる利息は少なくなりますが、手数料はかからないので元本割れといったリスクはありません。
投資信託の場合、ファンドによっては購入時の手数料、保有中の運用管理費用、監査報酬、売買委託手数料、解約時の信託財産留保額といったコストがかかるので、これらの費用がかからないことも定期預金のメリットと言えます。

貯蓄習慣の促進

定期預金は一定期間資金を引き出せないため、無駄遣いを防いだり、目標金額まで貯めたりといった貯蓄習慣を育てることができます。



定期預金のデメリットとは?

定期預金には、デメリットも存在します。
資産運用戦略を立てる上で、デメリットも理解しておきましょう。

途中で引き出せない(流動性が制限される)

定期預金は、預け入れ時に決めた期間は原則として資金を引き出すことができません。このため、急な出費に対応することが難しくなります。
また、資金を長期間拘束することで、株式や不動産など他の高リターンを期待できる投資機会を逃すかもしれません。
どうしても資金が必要な場合は、中途解約の手続きができますが、予定よりも低い利息(普通預金程度の利率分)と元本を受け取ることになります。

投資性商品と比べて運用効率が低い

定期預金の利率は、市場の状況や金融政策によって変動します。特に低金利時代では、定期預金の利率も低くなります。投資信託や株式などの投資性商品に比べて運用効率が低く、お金が増えにくい点はデメリットと言えます。

インフレによるリスクがある

定期預金はインフレに弱いという性質があります。インフレ率が定期預金の金利より高い場合、満期時の資金は資産価値として目減りしてしまいます。
インフレとは、物価の上昇によってお金の価値が下がることです。
例えば物価が年2%上昇するというのは、100万円のものが、1年後に102万円に値上がりすることを意味します。100万円を1年間定期預金に預け入れする場合、年2%以上の利率(*)でないとインフレに対応できないということになります。
(*)税金は考慮しないものとします。

定期預金の種類

定期預金の種類について、代表的なものを紹介します。

一般定期預金

特定の期間、銀行に資金を預け、期間終了後に元本と利息を受け取る形式です。
預入期間は、2週間といった短期間から1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1~10年の間の1年刻みで選択できる定型方式と、1ヵ月超10年未満で自由に満期日を指定できる満期日指定方式などがあります。金融機関によって取り扱いが異なりますが、一般的に預ける期間が長くなるほど、利率も高く設定されています。

大口定期預金

1,000万円以上といった大きな金額を預け入れることで、一般の定期預金よりもさらに高い利率が提供される定期預金です。大きな資金を一定期間動かさない予定がある場合、より有利な条件で資産を増やすことができます。

積立式定期預金

毎月または一定の周期で一定額を積み立てていく形式の定期預金です。
長期的な資産形成や特定の目標資金の準備に適しており、小さな額から始めることができます。

外貨定期預金

定期預金は、日本円だけでなく、米ドルやユーロなど他の通貨でも可能です。一般的には外国通貨の金利は円よりも高く、資産形成のチャンスがあります。
外貨定期預金は、外貨に両替して一定期間預け、利息も同じ外貨で受け取るため、満期時の外貨建て金額は増加します。しかし、金利で利益が出ても、為替手数料と為替レートの変動により当初預入時の円の元本の価値が下がる可能性があり、短期間で資産価値が減少(急減)することもあります。また、外貨預金・外貨定期預金は預金保険対象とならない点等も押さえておきましょう。




定期預金を特に活用して欲しい人は?

安全性と確実性から、定期預金は次のような人に向いています。

リスクを避けたい人

投資を始めたばかりの初心者の方や、定年退職後の資金を確実に守りたいという方にとって、元本割れすることのない定期預金は安心です。

貯蓄習慣を身につけたい人

手元にお金があると、つい無駄遣いをしてしまうという方は、定期預金にすることで、一旦立ち止まり、お金を使う必要があるかどうか考える機会が生まれます。また、これから金銭管理や貯蓄習慣を身につけていくお子さまにとって、定期預金は、お金に関心を持ち貯蓄の重要性を理解するための第一ステップとなります。

定期預金の活用シーン

他の商品をメインに資産運用をしている人も、次のようなシーンで定期預金を活用すると効果的です。

使途・目的が決まっている資金の準備として

必要な金額を必要な時期まで預け入れておけるので、安全に運用できます。
また、満期日を設定できるので、必要な金額まで積み立てしながら準備することも可能です。
例)旅行資金、車検・車の買い換え費用、高校や大学の入学金・授業料、住宅購入費用の一部など。

投資用の準備資金として

まとまったお金はあるけれど、時間を分散して投資したい時や投資の機会を見極めている時、また投資した商品を売却して再投資するまでの間、資金を一時的に保管しておく場合に定期預金を活用することができます。

緊急予備資金として

緊急時に備えて、使わないで置いておきたいお金も定期預金にしておくと安心です。
使わなければ、普通預金より高い利率で運用でき、万一の場合には中途解約して引き出すことができます。

総合口座にセットする

総合口座とは、普通預金のほかに定期預金をセットした複合口座で、定期預金を担保にして普通預金の残高が不足したときの自動貸越機能があります。
例えば、公共料金やクレジットカードの決済口座を総合口座として定期預金の預け入れをしておくと、一時的に普通預金の残高が足りなくても、定期預金の残高の90%の範囲で貸付をしてくれます。
この自動貸付機能があれば、予期しない支出にも対応できるため、便利です。
しかし、この機能を利用すると、借りた金額に対する利息が発生する点に注意が必要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)やDC(企業型確定拠出年金)で選択する

iDeCoやDCで選択できる運用商品にも定期預金があります。株式や債券などの他の運用商品に比べてリスクが低く、iDeCo・DCの掛金拠出時は、定期預金に投資することで、所得控除の恩恵も受けながら資産形成が可能です。
※ご自身の課税所得がない場合は所得控除の対象外です。

定期預金活用の際の注意点

定期預金のメリットを最大限に活かすために、いくつかの注意点を確認しておきましょう。

利率の確認と比較

同じ預け入れ期間であっても、利率は金融機関によって異なります。複数の金融機関の条件を比較して選びましょう。
また、変動金利か、固定金利なのか、キャンペーンなどで金利が上乗せされる場合は、優遇金利適用の条件や期間を確認しましょう。

満期日の管理

定期預金の満期日を把握し、満期後は継続するか、普通預金や他の投資商品へ振り替えるか、他の金融資産とのバランスを考慮に入れて決定しましょう。
途中解約も可能ですが、この場合は受け取れる利息が少なくなるので、緊急時を除き、預け入れ・継続の際は、満期まで預け入れる計画を立てることが望ましいです。

預金保険の適用範囲

預け入れた資金が預金保険の適用範囲内にあるかどうか確認することは重要です。
同じ金融機関に預けている預金残高を合計し、元本1,000万円までとその利息が保護されます。1,000万円の限度額を超える預金については、金融機関の破綻リスクを理解しておく必要があります。

為替リスク・為替手数料(外貨定期預金の場合)

外貨定期預金を利用する場合は、為替レートの変動リスクを考慮する必要があります。為替レートの変動により、元本換算額が減少する可能性があるため、外貨資産の運用には慎重な判断が求められます。
円から外貨へ、またはその逆への両替時には為替手数料が発生します。為替手数料は銀行ごとに異なるため、手数料の低い銀行を利用することが重要です。
さらに、外貨定期預金は預金保険対象とならない点も押さえておきましょう。

定期預金を預ける銀行を選ぶポイント

定期預金を預ける際は、銀行ごとに利率が異なるためどの銀行を選ぶかが重要なポイントとなります。比較するのは利率だけではありません。以下に銀行を選ぶ際のポイントをまとめてみました。

サービスの質

銀行の提供するサービスの質も重要な選択基準です。オンラインでの取引のしやすさ、顧客サービスの対応など、日常的な取引のしやすさを考慮することが大切です。また、定期預金以外の取引(普通預金、投資信託、住宅ローンなど)の残高に応じて、さらに金利優遇を受けられるといったサービスがある銀行も見逃せません。

キャンペーンや特典

銀行によっては、新規で口座を開設する場合に、特別な金利やキャンペーンを実施していることもあります。初回だけの優遇なのか、一定期間だけなのか、優遇を受けるための条件も確認しておきましょう。




定期預金の満期後の選択も考えておきましょう。

定期預金が満期になったとき、目的があれば引き出して使うことになりますが、予定が変わった場合など、満期後の選択も考えておきましょう。また、満期が数年後になると定期預金の存在を忘れてしまう可能性があります。そして満期になったことに気づかず放置してしまうとどうなるのでしょうか。定期預金の存在を忘れないための対策もお伝えします。

満期後の取り扱い

次の3種類の方法があり、銀行の商品によっては、預け入れの際に取り決めをしておくこともできます。

・元利金継続
満期到来時に、元本と利息を再び同じ期間の定期預金として預け入れます。
利息分も継続して元本に組み入れるので複利の効果があります。

・元金継続
満期到来時に、元本のみ同じ期間の定期預金として預け入れます。
利息分だけ満期時に受け取ることができます。

・解約
満期到来時に、継続せずに元本と利息を受け取って終了します。
定期預金を継続する場合は、利率や他の投資商品と比較検討することが重要です。

満期を放置した場合

満期到来後の指示をしていない場合、各商品によって取り扱いは異なります。
自動的に同条件で継続するもの、解約して普通預金に入金するもの(自動解約型)があります。
しかし、どちらの場合も指示しないまま一定期間放置すると「休眠預金」(*)となり、手続きしないと引き出せなくなります。
住所・氏名・電話番号・メールアドレスに変更があった場合は必ず取引銀行に届けでて、大切なお知らせを確実に受け取れるようにしておきましょう。

(*)「休眠預金」とは、10年以上、入出金等のお取引がない預金で、その資金は休眠預金等活用法に基づき、民間公益活動に活用されます。

安定した資産運用を目指す人にはおすすめ

定期預金は、リスクを避けつつ安定した資産運用を目指す人にとって、元本割れのリスクがないため理想的な商品の一つです。普通預金よりも高い利率で一定期間引き出せないので、計画的に貯蓄することができます。また、投資と併用する場合でも、定期預金の割合を増やすことにより、元本保証と予測可能なリターン部分があるため、不確実な経済状況の中でも安心感を得られます。

定期預金のメリットを理解し、最大限に活用しよう!

定期預金を最大限に活用するためには、そのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分の財務状況や目標に合わせて適切な金融機関、定期預金の種類を選ぶことが重要です。物価上昇、円安、新NISAへの制度改正により、貯蓄より投資に関心が高まっています。
現預金を保有することはリスクではないかと考えつつも、現預金からどのくらいの割合を投資に回して良いか迷うあまりに「普通預金」のまま保有していませんか。
定期預金の特徴とメリットを見直し、資産運用の選択肢としてうまく活用していただきたいと思います。

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執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

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