販売元に聞く!台湾の万能調理家電「大同電鍋」の魅力とは?

レトロポップなたたずまいと、1台で幅広い調理をこなすマルチな魅力。台湾生まれの調理家電「大同電鍋」が、ここ数年、日本で人気です。多くの大同電鍋愛好家がSNSやブログで日々レビューやレシピを発信し、この盛り上がりはまだまだ続きそうです。
日本の販売元である大同日本株式会社の家電業務推進部、林慕岳(リン ボガク)さんと李瑄(リ セン)さんに、誕生の歴史から愛される秘密、基本機能、便利な使い方まで、大同電鍋の魅力をまるごと伺いました。

ルーツは日本の電気炊飯器。変わらぬ姿で愛され続ける大同電鍋

――大同電鍋の歴史について教えてください。

大同日本株式会社の林慕岳さん(写真左)、李瑄さん(写真右)

林さん(以下敬称略):
実は大同電鍋の原型は、日本の電気炊飯器なのです。当時の担当者もいないので詳細はわかりませんが、台湾の総合電機メーカーである大同公司は以前から東芝さんと技術提携をしていて、その流れで1960年に電鍋を製造・発売するようになったと聞いています。
当初は炊飯器として売り出したところ、電鍋を手にした台湾人は、炊飯だけでなく家庭料理も簡単においしく作れることに気づき、自然発生的に使い方のバリエーションが広がりました。発売から60年以上経った今でも、万能調理家電として台湾人の生活に欠かせないものとなっています。

李さん(以下敬称略):
台湾での販売台数は1,600万台を超えて、「電鍋は一家に1台以上ある」といわれています。電鍋ではおかずやお弁当の温めもおいしくできるため、台湾での電子レンジの普及率は日本の半分以下しかありません。台湾人の「料理は電鍋に任せれば万事OK」という感覚が伝わりますよね。

――電鍋を見ると、どこか懐かしい気持ちになるのは、日本がルーツだったからなんですね。

林:
日本で電鍋を発売したのは2015年からです。私たち台湾人にとって思いも寄らなかったのは、電鍋が「レトロかわいい」と言われることです(笑)。
電鍋のルーツだった日本の炊飯器は、技術の発達によりどんどん進化していきましたが、台湾の電鍋は発売以来、見た目も基本構造もほぼ変わらず今に至ります。最新家電に見慣れた方からすると、60年代のデザインと機能は、「ザ・昭和」に映るのでしょう。
こうした成り立ちもあって、今、電鍋が日本で万能調理家電としてよみがえっていることは、個人的にとてもうれしく、運命的なものを感じています。

スイッチを押したらほったらかしOK!驚くほどのシンプル設計

――電鍋はどのような調理家電なのでしょうか?

李:
一番の特長は、「蒸す」「炊く」「煮る」「温める」を1台で、スイッチ1つでできることです。炊飯はもちろん、スープや煮込み料理、蒸し料理、デザートづくりのほか、ご飯やおかずの温めなど、幅広く活躍します。

非常にシンプルな構造で、操作するのはスイッチ2つだけ。メインで使う「炊飯」(加熱)スイッチと、必要に応じて使う「保温」スイッチです。

使い方はとっても簡単。本体の鍋(外鍋)に水を入れ、食材をセットし、蓋をして炊飯スイッチを押すだけ。外鍋に入れた水が沸騰し、その蒸気の熱で食材に火を通す仕組みです。保温スイッチは、オンにすると料理をしばらく保温することができます。

電鍋の付属品として、内鍋とスチームプレートがあり、調理に応じて使い分けをします。炊飯や煮込み料理を作る場合は、内鍋に材料を入れて外鍋にセットします。蒸し料理の場合は、外鍋にスチームプレートを置き、その上に食材を乗せた器をセット。そして、炊飯スイッチを入れるだけです。

林:
加熱時間は水の量で調節します。計量カップ1杯の水でだいたい15~25分加熱されます。蓋を取ってみたときに、「もっと火を通したいな」と思ったら、適宜水を足して再び加熱すればいいのです。そして、水がなくなると自動的に炊飯スイッチがオフになって加熱が止まります。もちろん、手動で加熱を止めることも可能です。

――電鍋を使用するメリットは何でしょうか?

李:
電鍋の操作は「炊飯」「保温」の2つだけなので、誰でも簡単に使えますし、構造的にシンプルですから、壊れにくいのもいいところです。
タイマーや温度設定はありませんが、水がなくなれば勝手に炊飯スイッチがオフになりますし、料理が焦げ付くことはほぼありません。そのため、調理中はそばで見守る必要はなく、「ほったらかし」でOKです。

炊飯スイッチをオンにしたら別の家事をしてもいいですし、何なら外出しても大丈夫。子供のお迎えや近所に買い物に行く前に食材をセットして炊飯スイッチを入れておけば、帰宅する頃には料理が出来上がっています。洗い物も少ないため、リモートワーク中の昼食づくりにも便利ですね。

林:
電鍋で作る料理は、蒸気の熱によりふっくらジューシーに仕上がります。シンプルなレシピでもおいしく出来上がるのはうれしいところ。
また、蒸気での加熱調理になるため、電鍋で作る料理はヘルシーだといわれています。野菜は温野菜にするとたっぷり食べられますし、油を使わず加熱できるため、カロリーや脂質の摂取を抑えることができます。通常は炒める工程がある麻婆豆腐も、電鍋だけで十分おいしく作れますよ。
先日、大手ダイエットアプリのキャンペーン賞品に電鍋が採用されました。ダイエット業界から、健康をサポートする家電のひとつとして選んでいただいたことは、とても光栄です。

複数の料理を一度に仕上げる「同時調理」が重宝

――電鍋をより便利に使いこなすコツを教えてください。

李:
電鍋のさらなる魅力は、「同時調理」ができることです。内鍋の上にお手持ちのザルや別売りの蒸し皿やせいろをセットすれば、ご飯を炊いたりスープを煮たりしながら、焼売を温めたり、肉や魚を蒸すなど、一度に多くの調理が可能。隙間に卵を入れれば、ゆで卵ならぬ蒸し卵も気軽に作れます。

――晩ご飯のメニューを一気に調理することもできそうですね。ほかにも、便利な使い方はありますか?

李:
電鍋は蒸気で調理をする仕様ではありますが、水を使わずに食材を温め直す使い方もできます。
外鍋の底にクッキングシートを敷き、ピザやパンを置いて、水を入れずに炊飯スイッチをオン。数分でスイッチがオフになるので、そのまま少し時間をおいて予熱で加熱。すると、「サクッふわっ」と仕上がって、おいしいと評判です。電鍋は外鍋の中に水分がなくなると、温度上昇によって数分で自動的に炊飯スイッチが切れる仕組みなので、水を入れずに加熱しても安全。構造上も問題ありません。

林:
小さなお子さんがいらっしゃる方は、離乳食用に小さな耐熱容器にそれぞれ野菜を入れて数種類の蒸し野菜を同時に調理したり、赤ちゃん用のガーゼや布巾の煮沸消毒をしたりと、電鍋が活躍しているようです。
また、乾燥が気になる季節に、内鍋に生のハーブと水を入れて加湿器代わりに活用している方もいらっしゃいました。
シンプルで懐が深い電鍋は、ユーザーのアイディア次第でレパートリーが無限に広がる、まさに「遊べる家電」なんです。

電鍋の気になるお手入れ方法と注意点は?

――電鍋のお手入れ方法について教えてください。

李:
電鍋を使い続けると、外鍋の内側に食材のエキスなどがついて、汚れが気になることがあります。そのようなときは、食器用洗剤や食器用粉末クエン酸での洗浄をおすすめしています。
ただし、外鍋の底には電気回路がありますので、外側は水洗いができません。内側のすすぎ洗いの際は、できる限り外側を濡らさないよう注意してください。
内鍋やスチームプレートなどの付属品は、通常の食器同様、食器用洗剤とやわらかいスポンジで洗えばOKです。

――そのほか、電鍋を使う上で守ってほしい注意点はありますか?

林:
調理に使う器は、私どもとしては付属の内鍋を使っていただくのが一番安全でおすすめなのですが、手持ちの鍋や耐熱容器を使いたい方もいると思います。その際、鍋とのあいだに十分なスペースが確保できる大きさの器を使用してください。器が大きすぎると、蒸気がうまく回らず加熱が不
十分になったり、水が吹きこぼれたりするおそれがありますし、取り出す際にもやけどの危険があります。
また、調理中は内部の温度が250℃以上になるので、それ以上の耐熱性を備えた器を選ぶことをおすすめします。なお、付属品である内鍋の蓋は、加熱調理には使用せず、料理の保存用としてお使いください。内鍋の蓋は、取手部分がプラスチック製であることと、加熱調理中に使用すると内鍋の中まで蒸気が行き渡らなくなるからです。

李:
加熱中の注意点としては、外鍋と蓋が熱くなることです。蒸気もたくさん出るので、調理する際は、上に空間がある場所に置くといいですね。 また、保温スイッチは自動でオフにはなりません。長時間の保温は食材が傷みますので、気をつけてください。

購入を決めたら、サイズ選びはどうする?どこで買える?

――日本で販売されている電鍋のスペックについて教えてください。

李:
サイズは6合炊きのMと、10合炊きのLの2種類。また、現在は外鍋の内側の素材がアルミ製のものと、ステンレス製があります。カラーも現在は全部で6色取り揃えていますので、サイズや素材と合わせて好みでお選びください。

■電鍋のラインナップ
・アルミ製外鍋…白(M・L)、赤(M・L)、緑(M・L)、アクアブルー(L)
・ステンレス製外鍋…白(L)、きはだ色(M・L)、ネイビーブルー(L)
※2022年12月現在。赤、緑、白、きはだ色以外のカラーは、新色リリース時に入れ替わる可能性あり。

手前はMサイズ、後ろがLサイズ。カラーは手前左から、きはだ色、白。後ろ左から、赤、緑。

林:
素材によって性能に大きな違いはありませんが、アルミ製はステンレス製に比べて若干熱効率が良くて値段が安いこと、ステンレス製は比較的汚れがつきにくくお手入れがしやすいことが特徴です。

――置き場所も含めて、サイズ選びで迷う方も多いと思いますが、何を基準に選べばいいでしょうか?

李:

一般的には、2人家族までならMサイズ、3人家族以上ならLサイズという目安はありますが、使いたいお皿の大きさを考慮するといいかもしれませんね。

林:
ちなみに、台湾では一人暮らしでもLサイズを使用することが多いです。
Mサイズであっても、せいろを活用すれば多くの同時調理はできます。ですが、肉まんを一度に3つ4つ蒸したり、魚をまるごと一匹調理したりするには、やはり大きいほうが便利。
SNSのユーザーの声を見ると「Mサイズを買ったけどLサイズにしておけば良かった」という方はいても、「Lサイズを買って失敗した」という投稿は今のところ見当たらないんですよね。最近は、日本でもLサイズを買い求める方が増えてきました。

李:
キッチンの置き場所の兼ね合いで迷っている場合は、ダイニングテーブルなどで使うことを考えてみてもいいですね。蒸気が出ても問題なくて電源がある場所なら、どこでも使えます。収納場所としては、かわいい見た目を活かして、リビングなどにディスプレーして楽しんでいる方もいるようです。

――電鍋はどこで購入できますか?

電鍋は、2023年1月に公開した公式ECサイトのほか、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどの公式通販サイトで購入可能です。実店舗としては、東京では日本橋の「誠品生活日本橋」、谷中銀座の「台湾茶藝館 狐月庵」、大阪ではあべのハルカス近鉄本店タワー館10階「神農生活」などでも取り扱いがあります。日本の公式サイトや実店舗から購入いただくと1年間の補償期間がありますが、台湾で購入した場合は補償がつきませんのでご注意ください。

また、Twitter、Instagram、YouTubeなどの公式アカウントでは、電鍋に関する情報を随時発信しています。お得なキャンペーンやイベントのお知らせもありますので、ぜひチェックしてみてください。

レシピは本やネットでたくさん見つかるので初心者も安心

――最後に、「気になるけど自分に使いこなせるかな…」と迷っている方にアドバイスをお願いします。

林:
電鍋は、各自のライフスタイルや目的によって自由にアレンジしながら調理ができる、とても使い勝手が良い家電です。料理好きな方はもちろん料理を楽しめますし、私のようなズボラなタイプの方にも最適です(笑)。総じて、日本人より大雑把な台湾人は、「適当に」この家電を使いこなしています。水を入れる計量カップがなければ、手元にあるコップで代用したり、水の量も適当だったりします。加熱が足りなければ水を足せばいいだけですから。

使い初めは慣れずに戸惑うかもしれませんが、「こうしたらどうなるかな?」と試しながら、気負わずに付き合っていけば、徐々に感覚をつかむことができます。台湾食と日本食は、米や汁物をよく食べるという点で通じるものがあるので、日本の方も一度電鍋を使っていただければきっと手放せなくなるでしょう。

李:
料理のアイディアについては、公式SNSでも定期的に新しいレシピをアップしていますし、レシピ本もあります。そして、ありがたいことに日本には、多くの電鍋ファンがいます。電鍋愛好家によるFacebook「大同電鍋愛好会in日本」などのSNSでもたくさんのアイディアを発信していますので、皆さんといっしょにぜひ電鍋のある生活を楽しんでいただきたいですね。

大同電鍋公式サイト
大同電鍋公式ECサイト

※2022年12月に取材しました。

 

執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
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