外貨預金をおすすめしない5つの理由は?おすすめの方法も紹介

本記事は、SBI新生銀行からのお知らせです。

目次

そもそも外貨預金とは 

外貨預金とは、米ドルやユーロなど日本とは異なる国の通貨を使用して行う預金のことです。通常の円預金と同様に、銀行に外国通貨を預けることで、その通貨での利息を受け取ることができます。例えば、米ドルで預金を行った場合、米ドルの金利が適用され、利息も米ドルで支払われます。一般的には外国通貨の金利は円よりも高く、為替相場の差益でリターンが得られる可能性があります。しかし、外貨“預金”と言う名前にもかかわらず、為替レートの変動による元本割れなどのリスクもあるため、注意が必要です。

関連記事:外貨預金とは?その仕組みから始め方を解説

外貨預金がおすすめできない5つの理由 

外貨預金は円預金と違い様々なリスクを伴います。したがって、すべての人におすすめできる手段ではありません。それでは具体的に外貨預金がおすすめできない5つの理由について解説していきましょう。
 

①為替リスクを負う

外貨預金では、為替レートの変動により資産価値が上下します。例えば、米ドル預金をした後に円高・ドル安が進むと、円に換えた際の価値が減少します。このリスクは短期的な市場の変動にも敏感であり、国際情勢や経済政策によっても影響を受けるため、予測が難しいです。

②円と外貨を両替する際、為替手数料がかかる

外貨預金では、円から外貨へ、またはその逆への両替時に為替手数料がかかります。この手数料は、取引の頻度が高いとコストが大幅に増加する可能性があります。為替手数料は銀行ごとに異なるため、手数料の低い銀行を利用することが重要です。

③預金保険制度(ペイオフ)の対象にならない

日本における外貨預金は、円預金と異なり、預金保険制度の対象外です。これは万が一の銀行破綻時に元本が保証されないというリスクを意味し、投資の安全性が低下する要因となります。

④課税対象の増加

外貨預金の利息は、源泉分離課税として一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。納税は銀行が行いますので確定申告の対象となる所得からは除かれます。さらに、外貨を売却した際の為替差益は雑所得となるので確定申告による総合課税の対象になります。例えば給与所得者の場合(年収2,000万円以下)、給与所得や退職所得以外の所得が年間20万円超えると申告の必要があります。ただし、為替差損についてはその他の雑所得から控除し、損益通算ができます。(※他にも諸条件がありますので、詳しくは税務署、公認会計士、税理士にご相談ください)

⑤元本割れの危険性

為替リスクにより、元本が割れる危険があります。たとえ金利で利益が出ても、為替レートの変動で当初預入時の円の元本の価値が下がる可能性があり、短期間で資産価値が減少(急減)することもあります。

外貨預金をおすすめできない人

それでは、具体的にどのようなタイプの人に外貨預金はおすすめできないのか、例を挙げて解説します。 

①長期で外貨を保有する予定がない人

外貨預金は短期間での運用には向いていません。為替レートは日々変動するため、短期的な投資ではその変動によるリスクを受けやすく、元本割れの可能性が高まります。特に、為替レートが不利な方向に動いた場合、短期間での回復は期待しにくく、損失を被る可能性があります。また、短期間での頻繁な取引は為替手数料のコストが増大し、利益を減らす要因となります。従って、外貨を短期間で運用しようと考えている人には、外貨預金は適していないと言えます。 

②今後、円高が進むと予測する人

外貨預金における利益は、為替レートに大きく左右されます。円高が進むと予測している場合、例えば米ドル預金をしていると、ドルの価値が下落し、円元本(円投資額)も低い価値になるリスクが高まります。このように、将来円高が進む見通しを持っている人は、外貨預金を避けた方が良いでしょう。 

③リスク許容度が低い保守的な投資家

外貨預金は元本割れのリスクが伴うため、リスクを最小限に抑えたい保守的な投資家には向いていません。特に、為替変動等による円元本での価値の変動を避けたい場合や、確実な円元本の保全を求める方には不適切です。保守的な投資家は、通常、安定性を重視し、市場の変動に左右されにくい金融商品を好むため、外貨預金のような変動性の高い商品は避けるべきです。こうした投資家には、円定期預金や円建て債券など、リスクが低く安定した収益を得られる金融商品が適しています。 

④為替市場の知識が不足している初心者投資家

外貨預金は為替市場の知識が必要な投資商品です。初心者投資家は、為替相場に影響を与えるような経済ニュース、金利の上がり下がりに影響する為替の仕組みなどを理解しないまま投資を始めると、不利なタイミングでの取引が発生する可能性が高まります。また、為替市場はグローバルな経済動向や政治的イベントに大きく影響されるため、これらの要素を適切に分析し行動するにはある程度の経験と知識が求められます。したがって、為替市場の知識が不足している初心者投資家は、あくまでも余裕資金の範囲内から少しずつ投資行動していくと良いでしょう。

本当に外貨預金はおすすめできないのか?  外貨預金のメリット3選!

ここまで見てきたように、外貨預金にはリスクやデメリットがあります。しかし、ではなぜ、このような商品があるのでしょうか?デメリットとメリットは表裏一体。リスクやデメリットの裏を返せばメリットもあり、資産運用の手段としておすすめできる点も多いためです。外貨預金は適切な知識と戦略があれば、有効な資産運用の手段です。では、具体的に外貨預金のメリットについて解説していきます。

①金利が高い

外貨預金の大きな魅力の一つは、一般的に円預金よりも高い金利が期待できる点です。外貨預金にも通常の円預金のように普通預金と定期預金があり、金利もまた円預金と同様に、普通預金より定期預金の方が高金利に設定されています。したがって、しばらく使わないお金は定期預金で預けることでより高い金利を得ることができます。また、一度に預ける大きなお金がない場合でも、SBI新生銀行では毎月1万円から外貨預金で積み立てることもでき、満期まで欠かさず積み立てるとさらにボーナス金利が円でもらえます。

参考)SBI新生銀行の最新の外貨預金の金利一覧
参考)SBI新生銀行の外貨積立(パワービルダー)について

②為替差益を得られる可能性がある

外貨預金では、為替差益を得るチャンスもあります。為替レートが有利に変動すると、その差額が利益として実現します。たとえば、米ドル/円が1ドル=100円の時にドル預金をして、後に1ドル=110円になった場合、1米ドルあたり10円分の為替差益が生じます。このように、為替レートの変動を利用して利益を得ることが可能です。また、ドルコスト平均法(※)を利用し、積み立てを行うことで、為替レートの変動リスクを分散し、中長期的な投資戦略として効果的に運用することができます。

参考)SBI新生銀行の最新の外貨預金の為替レート

※ドルコスト平均法:一定の金額を定期的に同じ金融商品に投資する方法。市場の変動によるリスクを分散し、長期的に安定した投資成果を目指すことができる。ただし、相場の動向によっては損失が出る場合もあるので注意が必要です。

③分散投資になる

外貨預金は、資産の分散を図るための手段としても有効です。円だけでなく、異なる通貨で資産を持つことにより、市場リスクの分散が可能になります。特に、経済や為替レートが円とは異なる動きをする通貨を選ぶことで、地政学的なリスクや国内経済の変動から資産を守ることができます。例えば、米ドルやユーロなどの主要通貨に加えて、オーストラリアドルやカナダドルなどの通貨を組み入れることで、より幅広い分散効果を期待できます。このように、外貨預金はリスク分散の観点からも、賢い資産運用の選択肢となります。

外貨預金に便利なSBI新生コネクトのメリット3選! 

SBI新生銀行には、SBI新生コネクトという便利でお得なサービスがあります。 SBI新生コネクトとは、SBI新生銀行の円普通預金口座とSBI証券の証券総合口座を連携させる、手数料無料の自動入出金サービスです*1。しかし、メリットは自動出入金ができるだけではありません。申し込むだけで翌々月からステップアッププログラム*2最上位のダイヤモンドステージにステージアップします。ダイヤモンドステージになると円預金の優遇金利などたくさんの特典があり、以下のような外貨預金のメリットもあります。
*1 SBI新生コネクトのお申し込みには、SBI証券の口座開設が必要です。
*2 ステップアッププログラムの条件等はこちら

①米ドル普通預金金利が年1.00%(税引前)

米ドル普通預金金利が通常金利よりもおトクな年1.00%(税引後年0.7968%)で預けることができます。現在、円の普通預金の金利は、0.001%が多いので、なんと1,000倍です。
※金利は2024年2月14日現在。毎日見直しとなる変動金利で変更となる場合があります。

②米ドル/円の為替手数料が1基本通貨単位あたり片道6銭

スタンダードステージの場合、米ドル/円の為替手数料は、1基本通貨単位あたり片道15銭です。しかし、ダイヤモンドステージの場合、手数料は半額以下の片道6銭となり、よりお得に取引が可能です。
※米ドル/円の為替手数料は2024年2月14日現在。

③そのままSBI証券で米国株式や海外ETFが買える

SBI新生銀行の外貨普通預金からSBI証券外貨預り金にリアルタイムで入金できるので、スムーズに人気の米国株式や海外ETFを買うことができます。証券会社に米ドルを預けていても金利はつきませんが、SBI新生銀行の外貨普通預金なら金利をつけながら預けることができ、その資金で米国株・海外ETFを購入することも可能です。

ダイヤモンドステージ円普通預金金利

外貨預金が向いている人 

外貨預金のメリットについて解説しましたが、具体的に外貨預金はどのような人に向いているのでしょうか?外貨預金に向いている人のタイプを2つご紹介します。

①長期的な資産運用を考えている人

外貨預金は、長期的な視点で資産運用を考えている人に向いています。長期的な運用によって、短期間の為替変動の影響を抑え、安定したリターンを目指すことができます。例えば、米ドルやユーロなどの主要通貨では、一時的な為替変動があっても、長期的には安定した傾向を見せることが多いです。また、長期間にわたる運用では、高金利の恩恵を最大限に受けることが可能になります。このため、退職後の資産形成や子供の教育資金の一部など、長期的な投資計画を持つ人にとって外貨預金は一つの選択肢です。ただし、長期運用でも為替リスクは常に存在するため、定期的な市場分析と為替動向の理解が必要です。

②分散投資を目指す人

資産運用においてリスク分散は重要な要素です。外貨預金は、ポートフォリオに多様性をもたらし、全体のリスクを分散する手段として有効です。特に、国内市場や円に偏重した投資をしている人は、外貨預金を通じて異なる市場動向や通貨に分散することで、リスク分散を図ることができます。例えば、米ドルやユーロ、さらにはオーストラリアドルやカナダドルなど、さまざまな通貨に投資することで、特定の通貨や市場の変動に対する依存度を下げることが可能です。また、世界的な経済の動向により異なる影響を受ける通貨を選ぶことで、地政学的リスクや特定国の経済状況から資産を保護することもできます。このように、分散投資を戦略的に行いたい人にとっても、外貨預金は投資の選択肢となります。

外貨預金の上手な使い方 ~5つのアプローチ~

外貨預金は、メリットとデメリットをしっかり理解すれば、資産運用の一つの手段になります。外貨預金を効果的に活用するための5つのアプローチについて解説します。

①通貨選択の重要性

外貨預金を上手に使うには、まず、目的とリスク許容度に合わせた通貨選択が重要です。安定を求める場合は米ドルやユーロ、高リターンを狙う場合は新興国通貨を選ぶ選択肢がありますが、新興国通貨は先進国通貨と比較しリスクも高いためリターンとリスクのバランスを考慮して通貨を決めましょう。その他、取引する際の為替手数料や日々の通貨の動きを知るために当該通貨にかかわる情報入手の容易さなども通貨選択の重要な要素と考えられます。

②投資期間の設定

為替の変動を考慮した長期的な投資が、外貨預金で大きな失敗をしないカギです。短期間での利益追求よりも、長期にわたる安定収益を目指すことが望ましいです。

③ポートフォリオの調整

市場の変動にも気を配り、必要に応じてポートフォリオを調整することが大切です。特に、特定の通貨の価値が上昇した場合は、利益確定とリスク再分散のために売却や再投資を行うことを検討しましょう。

④全体の資産運用計画の一部として活用する

外貨預金は、資産運用計画の一部として位置付けるべきです。他の投資とのバランスを考慮し、過度な依存を避けながらリスクを適切に分散させることが、上手な利用のカギとなります。

⑤外貨預金の税制への理解

外貨預金から得た利益には税金が適用されます。外貨預金で受取る利息(利子所得・源泉分離課税)は、原則として確定申告は不要です。しかし、外貨預金の為替差益(雑所得・総合課税)については、原則として確定申告が必要になります。分からないときは専門家のアドバイスを求めるのも良いでしょう。

外貨預金も投資の一つです。ここで述べたようにしっかりとリスクを分散させることが上手な使い方のコツです。また、利益が出た際は確定申告が必要になる場合があるので注意しましょう。

外貨預金はどこの国を選んだら良い?代表的な5つの通貨の特徴 

外貨預金を行う際には、どの国の通貨を選ぶかが重要な決定となります。各通貨はその国の経済、政治、地理的な要因により異なる特徴を持ちます。以下では、外貨預金において人気のある5つの代表的な通貨とそれぞれの特徴について詳しく説明します。

①米ドル(USD)

米ドルは世界の主要な予備通貨であり、国際的な取引において最も影響力があります。アメリカの経済状況や金融政策、世界的な政治情勢が価値に大きく影響します。安定性が比較的高く、リスクを抑えたい投資家に人気です。また、多くの国際商品がドルで取引されるため、米ドルの動向は世界経済を理解する上で重要です。

②ユーロ(EUR)

ユーロは欧州連合(EU)加盟国で使用される通貨で、国際取引においても重要な役割を担っています。ユーロの価値はEU域内の経済状況、特にドイツやフランスなどの主要国の経済動向に影響を受けます。ユーロ圏の政治的安定性や経済政策がユーロの価値を左右するため、EUの政治経済ニュースには注意が必要です。

③英ポンド(GBP)

英ポンドは歴史的な強さを持ち、世界的に信頼されている通貨です。しかし、ブレグジットのような政治的なイベントはポンドの価値に大きな影響を与えるため、英国の政治経済に関する情報に敏感である必要があります。英国経済の動向や中央銀行の政策がポンドの価値を決定する主な要因です。

④豪ドル(AUD)

豪ドルは資源国オーストラリアの通貨で、商品市況、特に鉱物資源や農産物の価格に敏感に反応します。オーストラリアの経済はアジア、特に中国の経済状況に大きく影響されるため、アジア太平洋地域の経済ニュースに注意が必要です。比較的高い金利が特徴で、高収益を求める投資家に適しています。

⑤カナダドル(CAD)

カナダドルは北米の安定した経済を反映した通貨で、特にエネルギー資源(原油など)の価格に左右されます。アメリカとの経済関係が深いため、アメリカ経済の動向や両国間の貿易政策がカナダドルの価値に影響を与えます。安定性と資源市場への連動性を考慮する投資家に適しています。

関連記事:外貨預金はどこの国がいい?おすすめ通貨や選び方をご紹介

リスクを理解して資産を分散しよう!

外貨預金も投資の一つです。そのため、すべての人におすすめできるわけではありません。しかし、適切な知識や長期的な視野を持つことで、これらのリスクを管理し、資産の分散化、高金利の利益、為替差益の可能性といったメリットを得ることも可能です。
特に、長期的な資産運用を考えている人や、分散投資を目指す人にとっては魅力的な選択肢となり得ます。さらに、SBI新生コネクトを活用することで、外貨預金の効率的な管理やさらなるメリットも受けられます。
分散投資の一環として、外貨預金を資産運用のポートフォリオの一部に組み込みこむことは有効な手段の一つといえます。

 

執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

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