外貨預金メリット・デメリットは?通貨ごとのリスクも解説
本記事は、SBI新生銀行からのお知らせです。

身近な人から、資産運用として「外貨預金をしている」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、外貨預金で資産運用をすると、どのようなメリット・デメリットがあるのか、色々な通貨のリスクや特徴などを紹介します。
目次
外貨預金とは?
外貨預金は、外国の通貨を銀行に預ける預金です。円預金と同じように銀行で預けることができ、預けている間は利息を外貨で受け取ることができます。
“外貨”と聞くと、「海外旅行に行くときに使うもの」というイメージを持つ人が多いかもしれません。海外へ行ったときに必要になるのが、現地のお金、つまり外貨です。最近はクレジットカードでの支払いがメインかもしれませんが、チップや、ちょっとした買い物などに外貨が必要なシーンも多いでしょう。そのため、海外に行く際には日本の円を旅行先の国のお金(外貨)に交換します。つまり、円で外貨を買うわけです。また、買った外貨がもし余ったら、今度は外貨を円に交換することができます。つまり、外貨で円を買うわけです。
このように外貨は売り買いすることができます。これは海外旅行のときに限りません。外貨と日本円を交換する際の為替レートは日々変動しますから、外貨が安いときに購入しておき外貨が高くなってから売れば、利益が出ることもあります。
このように、外貨預金では利息を受け取れるほか、為替レートの変動によって利益が得られることがあります。私達にとって身近な銀行で外貨預金用の口座を開設して外貨を預けるだけで始められるため、外貨預金は比較的手軽な資産運用方法となります。
“外貨”が注目されている理由は?
日本円を銀行に預けていても、お金が増やしにくい状況です。
一方、海外には日本より金利の高い国があります。そういう国の通貨で運用する金融商品を保有すれば、円の預金より高い利息が外貨建てで受け取れるため、外貨による資産運用が注目されています。
外貨預金のメリット
まずは、一般的な外貨預金の活用法を紹介します。
外貨預金で海外の高金利を活かす
外貨預金のメリットの1つは“金利”です。日本よりも金利が高い国の通貨を選んで預金をすると、その分の利息を受け取ることができます。
たとえば、本記事の執筆時点(2025年1月29日)だと、1年ものの米ドル外貨預金の金利は年率4.00%(税引前)以上の銀行が散見されます。その一方で、メガバンクの定期預金(1年もの)は年率0.50%(税引前)もない状況です。
もし年率4.00%(税引前)のときに「100米ドル」を預け入れると、1年後には「1,042米ドル(税引前)」に増やすことができます。金利の高さだけでいえば、米ドルを外貨預金に預けたほうが有利であることは歴然です。
*上記は税金、為替手数料を考慮しない簡易計算です。利息は源泉分離課税(国税15.315%、地方税5%)となります。
外貨預金で為替の差による利益を得る
外貨預金のもう1つのメリットは、“為替差益”です。外貨の価値が安くなっているときに外貨を買って預けておき、価値が高くなったときに預けていた外貨を引き出して売ると、その差額分、資産を増やすことができます。
ニュースなどでは「今日の外国為替相場」が毎日報じられています。みなさんも一度は耳にしたり、新聞で見たりしたことがあると思います。外国為替相場とは、日本の円と海外の通貨の交換比率(為替レート)を表したものです。たとえば「米ドル/円相場」は、「1米ドルを買うのに、日本円がいくら必要か」を示します。もし今日の為替レートが「1米ドル=150円」だとしたら、1米ドルを買うのに150円が必要ということです。
通貨と通貨の取引は、世界中で絶え間なく行われていて、為替レートも刻々と変わっています。もし外貨を安いときに買って高いときに売ることができれば、その差額を得ることができます。
たとえば、「1米ドル=150円」のときに買った米ドルを、「1米ドル=160円」のときに売れば、10円の為替差益が得られます。このとき売り買いしたのが1万米ドルであれば、「日本円を10万円増やすことができた」となるわけです。このように、為替レートの変動によって生じた利益は、「為替差益」と言います。
※為替手数料がかかるため実際の受け取り金額は異なります。
外貨預金のデメリット
次は、外貨預金を活用するための注意点などを解説します。
高い金利の外貨預金は「預入期間」に注意
外貨預金の魅力のひとつは、現状では相対的に金利が高いこともひとつの理由です。米ドルなどの主要通貨建てながらも、目を引くような高い金利を見かけることはあります。
しかし、このようなときにチェックしていただきたいのが、その金利が適用される「期間」です。一見高い金利でも、その金利が適用される期間が短いと、実際に受け取れる利息額は少なくなるからです。
少し算数をしながら解説しましょう。たとえば、米ドル定期預金の金利が年5.00%(税引前)、預入期間が3ヵ月とします。これに1万米ドルを預けると、受け取れる利息額(税引前)はいくらでしょうか。
「1万米ドル×5.00%=500米ドル」ではありません。
この5.00%という金利は1年間預けた場合の利率です。金利というのは一般的に、預入期間が1年未満の商品であっても、年率で表示されます。そのため金利表示をよく見てみると「年率5.00%」といった形でしっかり「年」と書いてあります。つまり、「5.00%」というのは1年間預けた場合に受け取れる利息の元本に対する比率なのです。
この例の米ドル定期預金は預入期間が3ヵ月なので、利息額は1年間預けた場合の12分の3になり、「1万米ドルx5%×3ヵ月÷12ヵ月=125米ドル(税引前)」となるわけです。(※利息額は、実際には1年を365日とした日割り計算となります。利息は源泉分離課税(国税15.315%、地方税5%)として課税されます)。
このように、金利が高くても実際に受け取れる利息額は少ないことがあるため、金利だけではなく、適用される「期間」も必ずしっかりチェックしましょう。
もちろん、期間が短くても、その期間に適用される金利が高ければ、得られる利息額が十分多いと思うこともあるでしょう。ある程度長期で外貨運用をするつもりであっても、最初の短い期間だけでも高い金利が得られたら心強いものです。はじめて外貨預金する方向けのキャンペーンなどでは、短期間だけど金利が高い外貨預金が用意されていたりします。正しく理解した上で、うまく活用しましょう。
外貨預金で損する原因は?
外貨預金では損をしてしまう場合もあるため、よく理解してから始めることが大切です。具体的には、次のようなケースが挙げられます。
1つ目は、外貨を買ったあとに円の価値が上昇して「円高」になるケースです。保有していた外貨の価値が下がるため、マイナスの差額(為替差損)が生じて、元本割れになります。たとえば、「1米ドル=160円」のときに買った米ドルを、「1米ドル=150円」のときに売ると、1米ドルあたり10円の為替差損が生じます。
2つ目は、高金利による利息や為替差益よりも、「為替手数料」が高くなるケースです。
円と外貨を買ったり売ったりする際には、その都度、為替手数料が発生します。そのため、売買時の為替相場に変動がない場合でも為替手数料がかかるため、為替手数料分は損をしてしまいます。
為替手数料の金額は、通貨の種類や金融機関によって変わります。外貨を売買する際に、よく確認すると良いでしょう。
外貨預金のリスクに対処する方法は?
ここまで説明してきたとおり、外貨預金を活用すると、高い金利の通貨を買って多くの利息を得たり、売り買いをするタイミングを見計らったりして為替差益を得ることができます。
ただ一方で、為替相場の状況よってプラスになることもあれば、反対にマイナスになることもあります。
それでは、為替で損をしないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
残念ながら、完全に損失を避けることはできません。でも、各国の経済情勢をチェックしたり、為替相場の長期的なトレンドを見て相場の行方を想定したりすることは可能です。また、一時的に為替差損が生じる状態になっても、自分自身の為替相場の見通しによっては、そこでは売らずにプラスになるのを待つこともできるでしょう。
もちろん、為替相場が見通しどおりにならなければいつまでも為替差損を挽回することはできませんし、さらに損失が拡大する可能性もありますので注意が必要です。こんなふうに、為替とのつきあい方がわかれば、為替による損失をできる限り小さくすることも期待ができます。
外貨預金に向いている人は?
外貨預金では高い利息が得られることがある一方で、為替次第では損失が発生してしまうことがあるため、誰もが始めるべきものという訳ではありません。外貨預金が向いているのは、次のような人です。
・海外旅行や海外出張が多い人
海外で外貨を使う機会が多い人は、一度日本円を外貨に換えたら、外貨のまま銀行にお金を預けておくと便利でしょう。外貨と円を交換するときの為替手数料の負担を抑えることができます。
・長い期間運用できる人
外貨預金は、金利は預け入れるときに分かりますが、今後為替レートがどう動くのかは分かりません。外貨預金は円安が進んでから日本円に換金すると為替差益が得られますから、為替レートが良い時期までじっくり運用に取り組める人に向いています。
・余剰資金で運用ができる人
外貨預金に預ける資金が、レジャーや旅行などに使う余剰資金であれば、もしも外貨預金で損失が生じても、生活に困ることはありません。
日々の生活費や子どもの教育資金など、近いうちに使う予定があるので確実に確保しておきたいというお金については、安全性の高い円預金を活用したほうが安心でしょう。円預金であっても、新規口座開設キャンペーンなどを活用することで、できるだけ高い利息が受け取れるように工夫すると良いでしょう。
外貨預金はどこがいい?通貨ごとの特徴
次は、外貨預金で扱われている主要な通貨の主な特徴や注意点を紹介します。できるだけリスクを抑えたいという方は、為替変動が落ち着いている通貨を選ぶことを心がけましょう。
米ドル
米ドルは(USドル、USD)、アメリカ合衆国の通貨であり、世界中で最も広く使われている通貨です。「世界の基軸通貨」と呼ばれています。
政策金利はアメリカ連邦準備制度理事会(通称:FRB)が、インフレや失業率などの経済指標を考慮して金利を決定しています。
他の通貨と比較して、為替の値動きが安定しているため、為替差によって利益や損失の大きさを抑えたい人に向いています。また、世界経済に大きな影響を与える米ドルは、日々のニュースでも取りあげられることが多いです。経済情勢をチェックしやすいため、初心者にもおすすめの通貨です。
ユーロ
ユーロ(EUR)は、ヨーロッパ連合(EU)で多く使われている、ヨーロッパの共通通貨です。政策金利は欧州中央銀行(ECB)が決定しています。
1999年1月に誕生したユーロは、歴史は浅いですが、米ドルに次いで取引量が世界第2位 となっています。ユーロと米ドルの通貨ペアは世界で最も取引量が多いことから、「ユーロを買って米ドルを売る」または「ユーロを売って米ドルを買う」という人が多いことが分かります。そのため、ユーロを持つなら、米ドルの動向にも注意を向けておきましょう。
オーストラリアドル(豪ドル)
豪ドルは、オーストラリアの通貨です。オーストラリアは、鉱物資源や農産物などの輸出が盛んであることから、豪ドルの為替は資源価格の動向に影響を受けやすいという特徴があります。
豪ドルは、比較的金利が高い点が魅力で、多くの金融機関で取り扱われています。しかし、ドルやユーロに比べると為替相場が変動しやすいため、経済情勢には注意しておく必要があります。
ニュージーランドドル(NZドル)
NZドルは、ニュージーランドの通貨です。ニュージーランドは酪農業が主要なため、乳製品や食肉の価格に影響を受けます。
豪ドルと同様に、金利が高い傾向がある一方で、為替相場が変動しやすい通貨です。世界経済が安定しているときにはNZドルが高くなりやすく、反対に混乱すると安くなりやすいと言われています。
外貨預金を運用するポイント
外貨預金のリスクをゼロにすることはできません。しかし、次のような点を意識しておくこと、初心者であっても外貨預金を続けやすいでしょう。
・外貨積立を活用する
「外貨積立」は、指定した金額を定期的に自動で外貨預金に預け入れるサービスです。外貨積立を使えば、有名な投資手法である「ドルコスト平均法」を実践できます。
ドルコスト平均法は、定期的に定額を買い続けることで、価値が高いときには少しの量だけ買い、価値が低いときはたくさん買えるため、平均購入単価が平準化されるという理論です。「一括投資で高値づかみをしてしまう」「安い時期に買い損ねてしまう」といった事態を避けることができるといわれています。
・複数の外貨を持つことでリスクを分散させる
外貨預金は、米ドル以外にも、ユーロや豪ドル、英ポンド、南アフリカランドなど、様々な通貨があります。どれかひとつに絞るのではなく、複数の通貨を持つことでリスクを分散させるのも良いでしょう。複数の通貨を保有していれば、そのうちのひとつの通貨の価値が下落しても、他の通貨の価値が上昇したりして、カバーできることがあります。
・為替手数料が安い金融機関を選ぶ
外貨預金を始めるときに日本円しかもっていない場合は、まずは日本円を外貨に交換する必要があります。交換の際にかかる為替手数料は、金融機関が独自で決めているため、差があります。
資産運用にかかるコストはできるだけ低いほうが手元に戻る資産が増えやすいです。複数の金融機関を比較して、為替手数料が安い金融機関を選ぶと良いでしょう。
・金利が高いときに預け入れる
外貨預金は、預けた金額に応じた利息が受け取れる金融商品です。為替相場によっては元本割れのリスクが伴うものの、約束された利息を受け取ることができる点は変わりません。そのため、できるだけ金利が高いときに預け入れておけば、資産が増えやすいことが期待できます。
今後の為替相場を予想することは難しいですが、金融機関のホームページで現在の適用金利を確認することは容易にできます。金利が高い時期を狙って預け入れるのもひとつの戦略と言えるでしょう。
まとめ
ここまでの解説のとおり、一口に外貨預金といっても、為替変動、為替手数料、通貨ごとの特色といったさまざまな留意点があります。外貨預金に興味が出てきた方は、ぜひ銀行のウェブサイトの外貨預金の説明ページに目を通してみましょう。
本記事で紹介したメリットとデメリットを踏まえて、外貨預金の運用を始めてみてはいかがでしょうか?
*本文中の記載は手数料、税金等を考慮していません。
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