1,000万円を資産運用するときの成功戦略!税金対策も忘れずに!

本記事はSBI新生銀行からのお知らせです。

手元に1,000万円の貯金があると、「何か資産運用をしたほうが良いのではないか」と、迷う方も多いのではないでしょうか。

貯金が1,000万円もあれば、投資信託、外貨預金、株式投資、債券投資、不動産投資など、さまざまな投資方法が選択肢としてあがってきます。しかし、失敗してしまうリスクを考えると、始めるのには勇気がいるでしょう。

そこでこの記事では、1,000万円の資産運用を成功するために知っておきたい考え方や注意点、具体的な資産運用方法、税金対策ができるおすすめの制度について紹介します!

1,000万円を資産運用したほうが良い理由

貯金が1,000万円もあれば、「リスクを取ってまで増やす必要はないのでは?」と、思うかもしれません。しかし、どんな人であっても、資産運用をしたほうが良い理由が2つあります。現在は手取り収入が増えにくい経済状況であることと、インフレリスクがあることです。

労働収入だけでは厳しい世の中に!

高齢化社会が進む日本では、社会保障制度の維持のため、昔に比べて社会保険料や税金の負担が上がっています。例えば、約20年前と比べると、国民年金保険料は月額1万3,300円から約1万6,500円にまで引き上げられ、消費税は5%から10%まで上がっています。ほかにも、健康保険料や雇用保険料も上昇傾向にあります。

しかし、昔と比べて収入はほとんど増えていません。国税庁の「民間給与実態統計調査」を見ると、2002年の平均給与は448万円です。それに対して、20年後である2022年は458万円です。

つまり、収入は増えていないのに、社会保険料などの負担は着実に上がっているのです!これでは、頑張って働いていても、昔に比べて家計が厳しく感じられて当然です。そこで、労働収入に加えて資産運用による収入が得られれば、家計がラクになります。

インフレの備えに!

インフレとは、物価が上昇し続ける現象のことをいいます。例えば、食品や生活必需品の価格が上がると、収入が同じままだと生活が苦しくなります。そのため、インフレのときは収入も増やす必要があるのです。
特に、老後はインフレ対策が重要になります。なぜなら、現役時代に比べて、自分が働いて収入を増やすのが難しいからです。そのため、インフレ対策として、資産運用で収入を増やすことを目指しましょう。

1,000万円を資産運用した場合のシミュレーション

1,000万円は大きな金額なので、資産運用で得られる利回り次第で、将来の資産も大きく変わります。ここでは、1,000万円を一括投資したと想定し、利回り別に表にまとめました。

なお、このシミュレーションはすべて複利計算をしていて、手数料、税金等は考慮していません。

定期預金などで安定的に運用した場合

次の表は、定期預金などの安定した運用方法で、年間0.1%の利回りが得られた場合のシミュレーションです。

<運用利回りが年0.1%の場合>
運用利回り 経過年数 予想資産額
年0.1% 10年後 約1,010万円
20年後 約1,020万円
30年後 約1,030万円

リスクがある資産運用をした場合

次は、リスクのある資産運用商品で年間1%~5%の利回りが得られた場合のシミュレーションです。利益が必ず出る保証はありませんが、高い利回りで運用できた場合、資産は大きく膨らみます。

<運用利回りが年1%の場合>
運用利回り 経過年数 予想資産額
年1% 10年後 約1,105万円
20年後 約1,220万円
30年後 約1,348万円

<運用利回りが年3%の場合>
運用利回り 経過年数 予想資産額
年3% 10年後 約1,344万円
20年後 約1,806万円
30年後 約2,427万円

<運用利回りが年5%の場合>
運用利回り 経過年数 予想資産額
年5% 10年後 約1,629万円
20年後 約2,653万円
30年後 約4,222万円

このように、運用利回りが高く、経過年数が長くなるほど、将来の予想資産額は大きくなります。例えば、もし年5%で運用できたら、30年後には約4,222万円になります。なんと、元の4倍以上です。

つまり、1,000万円の運用資金がある人の場合、どのくらいの利回りで資産運用できるのかによって、将来の生活はガラリと変わるのです。



1,000万円を資産運用するときの成功戦略

1,000万円という大きな金額を資産運用すると、成功したときのうまみが大きい反面、失敗したときのダメージも大きいのが怖いところです。そのため、「この方法なら儲かると聞いたから」「みんながやっているから」といった、漠然とした理由で始めるのは危険です。資産運用を始める際のポイントを確実に抑えておきましょう!

資産運用の目的を明確にする

まず、資産運用の目的を定めましょう。ほとんどの人は、「お金を増やすこと」が目的でしょう。しかし、「いつまでに」「どのくらい」増やしたいのかは、人によって様々です。そのため、今後の人生で大きなお金を使う予定のライフイベントを書き出し、何年後に何万円使う予定なのかを整理してみましょう。

<投資の目的(ライフイベント)の例>
車の購入 マイホームの購入 子どもの大学進学
自宅のリフォーム 海外旅行 起業資金
老後の生活費 老人ホームの入居費用 老後の介護費用

こうした作業を行うと、資産運用のゴールの時期が明確になってきます。もしお金を使う時期が10年後や20年後などであれば、運用期間を長く取ることができます。すると、もし途中で景気が悪い時期があっても、景気が良くなるまでじっくり待つことができるため、景気に左右される投資商品も選択肢に入れやすくなります。

一方、お金を使う時期が3年後や5年後だと、運用期間が短いです。確実に資金を確保したいなら、景気に左右されるような資産運用方法は避けておくほうが安全です。

分散投資でリスクを抑える

1,000万円を運用するとき、最も避けたいのは、大損することではないでしょうか。そこで、運用リスクを抑えるため、「分散投資」を意識しましょう!分散投資とは、一度に1つの運用商品を集中して投資するのではなく、いろんな時期に、複数の運用商品に分けて投資する手法です。

次の表のように、「資産」「地域」「数」「時間(投資する時期)」を分ける方法があります。分散投資を心に留めた上で、投資方法や投資商品を選ぶようにしましょう。

<分散投資の種類>
資産の分散 株式、債券、不動産など、値動きの仕方が異なる様々な商品に分けて投資をする
地域の分散 複数の国や地域に投資する(日本、アメリカ、アジア、ヨーロッパなど)
数の分散 投資先の数を増やす(株式に投資するなら1社ではなく100社に分ける、多数の投資先にまとめて投資できる投資信託を選ぶなど)
時間(投資する時期)の分散 一度に全額を投資する「一括投資」ではなく、毎月一定額を買い続ける「積立投資」などをする

積立投資に加えて一括投資も検討する

分散投資の考え方に基づくと、1,000万円は投資時期をずらして少額ずつ「積立投資」をしていくことで、リスクを抑えることができます。しかし、1,000万円という金額は大きいので、もし仮に月10万円ずつ積立投資をしていくとしても、1,000万円全部を投資するまでには8年以上もかかってしまいます。

すると、積立投資のみの時期が長くなってしまい、その間は利益が得られません。そのため、大きな投資資金が手元にある場合は、積立投資と合わせて、一括投資も検討してみましょう。例えば、「半分の500万円は一括投資をして、残りの半分は積立投資をしていく」などといった形です。その際、一括投資をする運用商品はローリスクのものを選んでおくと安全です。

リスク許容度に合わせて投資をする

投資によってマイナスが発生したときに、どのくらいまでなら許容することができるのかを「リスク許容度」といいます。リスク許容度を測る際のポイントは、次の通りです。

<リスク許容度を測るポイント>
年齢:年齢が若いと投資したお金を使う時期まで長い時間を確保できる傾向にあるため、リスク許容度は大きい
扶養家族:扶養家族がいない人は必要な支出が少ないので、リスク許容度は大きい
年収・資産:年収が高い人や保有資産が多い人は、余裕資金が多い傾向にあるためリスク許容度が大きい
投資経験:投資経験が長い人ほど損失が発生しても冷静に行動できる傾向にあるため、リスク許容度が大きい
性格:性格的に資産が減ることに抵抗感が小さい人はリスク許容度が大きい

リスク許容度
大きい 小さい
若い人 高齢な人
扶養家族がいない 扶養家族がいる
年収が高い・資産が多い 年収が低い・資産が少ない
投資経験が長い 投資経験がない
冒険派 慎重派

リスク許容度が大きい要因がたくさん当てはまる人は、ある程度リスクを取って積極的な運用も検討できるのではないでしょうか反対に、リスク許容度が小さい人は、リスクが少ない投資を中心に検討すると良いでしょう。

1,000万円を資産運用する際の注意点

1,000万円という大金を資産運用し続けていくためには、無理をしないことが大切です。投資をする前に、元本割れのリスクや、運用途中で換金する可能性について注意しておきましょう。

元本割れのリスクを理解する

大金を投資する際には、「リスクを受け入れる覚悟」が必要となります。元本保証のある円預金と違って、運用商品には元の投資額を下回る「元本割れ」の可能性があるからです。

資産運用では、長期間続けて相場が良い時期をじっくり待つことが重要となります。しかし、運用している途中で元本割れが発生すると、「一時的なものかもしれない」と頭ではわかっていても、心が受け入れられないことがあるのです。

そのため、元本割れの可能性がある運用方法を始めるときは、最初に最悪のシナリオについてもきちんとイメージをしておきましょう。例えば、1,000万円が5%値下がりすればマイナス50万円、10%ならマイナス100万円、20%ならマイナス200万円といった具合です。

もし「一時的でも20%も値下がりしたら耐えられない」ということなら、悪条件が重なっても10%や5%程の値下がりですみそうなものを選ぶようにすると良いでしょう。

運用途中で換金できない商品がある

まとまった金額を資産運用する際は、「換金できるか」についても、忘れずにチェックしてください。投資商品の中には、運用している途中で現金化するのが難しいものもあるからです。

例えば、外貨定期預金は、やむを得ない場合を除いて中途解約ができないことが多いです。ほかにも、投資用の不動産は売買に時間もお金もかかるため、気軽に換金できません。一方、債券や株式、投資信託なら、大体のものは1週間前後あれば換金できます。

ただ、もしたとえ換金ができたとしても、相場が悪いと利益が減ってしまうことも珍しくありません。そのため、資産運用を始める時は、あらかじめまとまったお金を使う時期に合わせて、投資する金額や商品を選びましょう。

また、予想外の臨時出費に備えるため、少なくとも生活費の3カ月分ほどは「生活防衛資金」として常に手元に置いておくことを念頭に入れておいてください。

1,000万円のおすすめ資産運用方法

1,000万円という大きな金額があれば、資産運用の選択肢は様々です。1つの方法ではなく、複数の方法を取り入れることも考えましょう。

※資産運用の商品はどれも元本割れのリスクや所定の手数料が発生します。また、預金保険制度の対象になりません。以下で紹介する資産運用方法も含め資産運用の商品で運用を始める時は、商品説明書などで詳細を確認した上でご自身でご判断してください。

債券投資

債券とは、会社や国が発行するものです。銀行や証券会社に口座を持っていると、債券を購入することができます。
債券投資は、「会社や国にお金を貸して利益を得る投資方法」とイメージすると良いでしょう。債券を持っている間は利子が受け取れ、満期日になると購入したときの金額が戻ってきます。なお、市場金利の上昇による価値の下落リスクや、発行者の信用不安による支払い不能リスクもありますのでこの点は注意が必要です。
発行元である会社や国の財務状況等により発行される債券の条件やリスクは異なりますが、発行元である会社や国の財務状況が悪くなければ、安定的に利子を得られるため、比較的ローリスクの投資方法として知られています。ただしローリスクな分、期待できるリターンも小さいです。

株式投資

株式とは、株式会社が発行するものです。証券会社に口座を開くと株式を購入することができます。
株式を購入すると、その会社の経営に参加する権利(議決権)や、配当金・株主優待を受け取る権利を得られます。また、株価はその会社の業績や世の中の経済状況に合わせて日々変動するため、購入するタイミング次第で、大きな利益や損失が発生します。
債券に比べると、ハイリスク・ハイリターンな投資方法と言われています。企業情報や市場の動向などを分析する手間を惜しまずにできる方などに向いているでしょう。

不動産投資

不動産投資は、他人に貸すための不動産を購入し、家賃収入による収益を狙う投資方法です。借入(ローン)が活用できれば、少額の手持ち資金で高額な物件にも投資できます。
不動産による賃料収入は比較的安定しているため、副収入や老後の自分年金を作りたい人に向いています。ただし、物件の選定や、売買契約、ローンの借り入れ、賃貸募集や管理、確定申告など、幅広い専門知識が必要になるため、勉強が必要です。はじめる際は、専門の不動産業者に相談するのも一つの方法でしょう。

外貨預金

外貨預金とは、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの外貨を銀行に預けることで、利息を得ることができる運用方法です。銀行で外貨預金用の口座を開設することで始めることができます。
外貨預金のメリットは、通貨によっては円より高い金利が適用されることです。また、円安が進行したときに外貨から円に戻すことで、為替差益が得られます。
約束された利息が得られるという分かりやすい仕組みのため、初心者でも始めやすい方法ですが、為替変動による元本割れのリスクや円から外貨へ、またはその逆への両替時に為替手数料がかかりますので、注意が必要です。

外貨預金メリット・デメリットは?通貨ごとのリスクも解説


投資信託

投資信託とは、運用会社に所属するファンドマネージャーが、複数の投資家から集めた資金を使って株式や債券などを売買を行い、運用成果を投資家に還元する仕組みの金融商品です。銀行や証券会社に口座を開くことで購入することができます。

投資信託は、100円や1,000円などの少額から買えることや、複数の債券や株を購入する手間を省けることから、初心者や忙しい人でも取り組みやすい投資方法といえます。また、1つの投資信託を買うだけでも、複数の国や会社などに同時に投資することができるため、分散投資をしたい人にも向いています。

節税できる投資の制度

株式や債券、投資信託などの利益は、通常だと約20%の税金が発生します。投資額が1,000万円という大きな金額だと投資で得られる利益にかかる税金も大きくなりやすいです。できるだけ、税金がかからない制度を使いながら資産運用をしましょう。

NISA (少額投資非課税制度)

NISAとは、投資の利益が非課税になる制度です。対象となるのは、株式や投資信託などです。銀行や証券会社で開設した専用の「NISA口座」で運用した際の売却益や配当金が非課税となります。2024年からは制度が拡充され、最大で年間360万円までNISA口座内で新規買い付けができます。株式や投資信託を購入する際は、ぜひ活用して欲しい制度です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCoとは、私的年金制度の一つです。銀行や証券会社でiDeCo専用の口座を開設することで始めることができます。iDeCo口座では、定期預金や投資信託の資産運用をすることができます。

iDeCoのメリットは、節税が期待できることです。iDeCoへの掛金は全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を減らすことができます。加えて、iDeCo口座内で運用した金融商品の利益は課税されません。

デメリットとしては、原則60歳まで資金を引き出せないことや、iDeCo口座を保持している間はずっと少額の手数料がかかり続けること、そして受け取るときには全額が課税対象となる点などが挙げられます(*)。ただし税金については、一時金としてまとめて受け取れば退職所得控除が適用できるため、税金がかからないことも珍しくありません。「老後資金を貯めながら運用していきたい」という人は、ぜひiDeCoを検討してみるとよいでしょう。
(*)ご自身の課税所得がない場合は所得控除の対象外です。

企業型確定拠出年金(企業型DC)

企業型DCとは、企業が出してくれる掛金を、従業員が自ら好きな運用商品を選んで運用するという、退職金制度のひとつです。勤務先がDC制度を導入している場合に限って使えます。
企業型DCでは、自ら掛け金を上乗せできる「マッチング拠出」ができることがあります。マッチング拠出の掛金は全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を減らすことができます。利用可否は勤務先ごとに規定で定められているので、確認してみましょう。

企業型DCのメリットやデメリットは、iDeCoとほぼ同じですが、違いとして、企業型DCでは事務手数料などがかからない(または、少なくてすむ)点が挙げられます。そのため、勤務先で企業型DCが導入されている人は、マッチング拠出をしたり、iDeCoと併用したりするなどして、積極的に活用していきましょう。

1,000万円を効率的に資産運用しよう

1,000万円は大きな金額のため、どう資産運用するかによって、将来の資産額が大きく変わります。
投資額が大きいと失敗したときのダメージも大きな痛手となるので、リスクを抑える運用手法を意識し、自分のライフプランやリスク許容度に合わせて、投資金額や投資先を決めていきましょう。

また、最も効率的に資産運用の利益を手にするためには、税金のことも忘れてはいけません。NISAや確定拠出年金の制度を使えば、税金の負担を減らすことが期待できます。

大きな金額を資産運用することは、とても勇気がいることです。しかし、将来の家計にゆとりをもたらすためにも、ぜひ前向きに取り組んでみてください。

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執筆者プロフィール

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

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