資産運用に踏み出せない大きな理由ってなんですか?
運用をはじめてみたいと考え、マネーレッスンを読んでみた。資産運用とはなにか?や、大切さ、リスクについておおよそ理解できた。それでも、どうしても第一歩を踏み出せない。まだ不安だ・・・というお客さまは少なくありません。
もちろん、無理にリスクを取って資産運用をはじめる必要はありませんが、このような不安を抱えるお客さまに、専門家はどのようにアドバイスをしているのか?
今回は金融機関の社員研修や個人のお客さまからの相談対応などで全国を飛び回っているファイナンシャルプランナーの市川さんに、お話しを伺います。
――資産運用を考える際に役立ててもらいたいと、昨年の6月に「マネーレッスン」という情報提供サービスを始めました。
市川さん
良い取り組みだと思い、当初から拝見させてもらっていましたよ。また機会があれば、私も参加してみたいと思っていました。ようやく声がかかって嬉しいです(笑)
――ありがとうございます。マネーレッスンをご覧になった方へのアンケートや店舗でのヒアリングを通じて「資産運用をはじめたきっかけ」をお伺いしていたのですが、お客さまからは、「必要性はわかったし、はじめたいけど、きっかけがつかめない」、「資産運用になかなか踏み出せない」というお声も多く頂きました。
市川さん
私も「資産運用の必要性を理解しているし、はじめてみたいと考えているけれども、なかなか踏み出せない」というお客さまを数多く見ています。
――「最初の一歩」というのは、何事においても難しいことですが、運用に踏み出せないのは、何が障壁になっているのでしょう? 市川さんのお客さまの場合、どういった理由が多いのですか?
市川さん
私のお客さまで多いのは、まず「お金がない」からです。続いて「ある程度リスクは受け入れなければ、とわかっていても、なんだか不安だ」という理由の方が多いですね。
若いお客さまの中には、将来のことを考えて早めに運用を始めたいと考えていながらも、「お金がないから」とあきらめている方が少なくありません。
もちろん、お金がないというのは資金に余裕がないわけですので、「積極的にリスクを取るべきではない」というのが大原則ですが。
――そのようなお客さまには、どのようなアドバイスをされているのですか?
市川さん
このマネーレッスンのコンテンツを参考にしてください、と言いたいところです(笑)。このマネーレッスンには、すでにそれらに応えているコンテンツがいくつかあります。私が客さまにお話ししている内容はマネーレッスンに書かれている内容と、さほど変わらないですよ。
――たとえば、どのようなところですか?
市川さん
「お金がないから」という方には、「おカネがない人でも始められるの?」や、「 少額からでも、始められる「積立投資」」などを。また、リスクへの不安についても、「リスクってなに?」や、「身近なところに興味を持とう」が参考になると思います。
「お金がないから」という方には、先ほどのとおり積極的にリスクを取るべきではないと思いますが、まず無理のない範囲でできることを提案しています。たとえば投資信託や外貨のなどの積立を活用した運用ならば少額からでも始められますので、運用について経験を積む良いきっかけにもなるでしょう。また投資信託の積立で銘柄選びに迷ったら、やはり身近なところからテーマを探してみれば良いと私も思います。
――なるほど。もうひとつのなんだか不安だ・・・というお客さまへのアドバイスについても教えてください。
リスクへの不安を抱いているお客さまの中でも、すべての方がリスクを全く取りたくないと考えているわけではなく、将来への備えを考えると、この低金利ではリスクを取って運用する必要性もわかっている。でも、なかなか踏み出せない・・・とおっしゃるお客さまを、しっかりサポートしたいと考えています。
市川さん
私もそうしたいと思っています。お客さまとじっくり話をしてみると、どうやら踏み出せない理由のひとつに、「マーケットのことがよく分からないから」と考えている人が少なくないようなのです。
――それは、為替や株価など投資した市場の変化などが利益や損失につながるので、マーケットが今後どうなるか?をある程度判断ができないと、運用は難しいとお考えになる方が多いということなのでしょうか?
市川さん
そのようですね。たとえばですが、円高・円安のことに詳しくない、為替が今後どうなるかを判断できないから、外貨預金や海外の資産に投資し為替変動の影響をうける投資信託で運用するのは不安、躊躇してしまう、と考えるのは当然かもしれません。
――なるほど。「リスクは、分散投資、さらに長期投資で対応」といわれても、払拭できない不安があるということですね。では、次回はそのようなお客さまにはどのように対応されているのかを、詳しく教えてください。
インタビューを終えて
今回、多くのお客さまの相談を受けている市川さんから、「資産運用の必要性はわかっても、なかなか踏み出せない理由や、お客さまが抱えている不安」を教えてもらうことができました。この機会に、これらのお悩みや不安に対するサポートについて、しっかり伺ってみたいと思います。次回は、マーケットに詳しくない方が運用をする上で、マーケットの知識は不可欠なのか?について、もう少し詳しくお話を伺います。次回も楽しみにしていてください。
<プロフィール>
市川 雄一郎(いちかわ ゆういちろう)
フロンティアアドバイザーズ株式会社 代表取締役
CFP (日本FP協会認定)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士 (国家検定資格)
1969年埼玉県生まれの東京育ち。大学時代は米国で過ごす。
日本FP協会においての相談業務や銀行、証券など金融機関においてのアドバイザー経験も豊富。メディア活動も多い。共著本は多数あるが、初心者向けの「はじめての資産運用」(日本経済新聞社)は改訂版を含めて計10刷まで増刷された。独自の視点で経済を読み解き、難解な経済用語をわかりやすく伝えることに定評がある。
投資信託取引を除く金融商品取引および金融商品仲介サービス(マネックス証券)について
株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。
- 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
- 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
- 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
- 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。